
武井「EumoにはSNSみたいな機能が組み込まれていて、お金の切れ目が縁の切れ目というように、お金って元々歴史をたどると、知らない人と取引をするために生まれたツールで、だから金融のことを英語でFinanceって言いますけど、Financeの語源ってFinishなんですよね。関係性を終わらせるっていう。だからお金って使えば使うほど人間関係が希薄化していくんですよ。都会って便利だけれど、人間関係がなくても取引ができるから便利なんですけど、育まれないですよね。でもEumoはそれを全部真逆に設計をしていて、使えば使うほど人間関係が親しくなるような仕組みとして作り上げているんですよね。だから誰と誰が繋がっているとか、誰がどこに行ったとか、あとは支払うときにチップを上乗せして支払える仕組みにしていて、サービスを提供してもらって、オシマイっていうのは等価交換だからなんですけど、でも多めに支払うから、悪いから今度来たときにまた何かサービスするよみたいな、お互いが次の関係に繋がっているような健全な貸し借りの関係性を意図的に作ってあるんですね」 新井「僕ずっと金融マンだったんですよね。国内海外そして自分で立ち上げた会社も含めて。ずっと思ってきたことは、お金が目的化するんですよね。人って面白いんですけど、お金より大切なものがあるって言うのにも関わらず、その大切なものを大切にせずに、お金を大切にしてしまうんですよ。じゃぁ私は資産運用業を今までやってきたんですけど、資産運用業ってどこまでいっても、持ってる人のお金は増やせるけど、持たざる人に対しては何もできないんですよ。どんなに社会のための投資っていっても、格差を助長することしかできないんだなと思って、自然に返るお金、そういったものを定義してあげれば、誰も目的化できないんですよね。ずっと持ってることができないから。だから溜め込むってことができなくなれば、格差って生まれないじゃないですか。格差の根源ってお金だから。じゃぁそういう仕組を提供するってことは、実は使う人たちにとっての幸せに繋がるんじゃないか。つまりお金って手段であるってことをみんなが考えるようになって、それって循環させることがいいことで、それによって使っていくことが幸せな循環を生むっていうものが作れるんだったら、社会って変わるよなって。そんな素敵なお金を作ることができるんだったらいいなって、ただこれはいつも自分は言ってるんですけど、僕のアイデアがいつも最高だとは全然思ってないです。そういうものがあったらいいなっていうものはあるんだけど、どういうお金のデザインが一番いいのかは、わかんないんですよ。」 武井「Eumoって誰でも通貨作れるんですよね。まぁ誰でもっていっても僕らのコンセプトの共感して作ってみたいっていう方々に絞り込んでますけど、立ち上げるのもコスト全然かからずにできて、それぞれが一つの経済圏というか、僕らよく共通のお財布って呼んでるんですけど、同じ通貨を持ってる人たちは同じお財布を共にしている仲間みたいな考えがあって、例えばエンデの遺言に書かれているエイジングマネーっていう価値がどんどん下がっていくお金というのをEumoも実装していて、Eumoのお金って全部の通貨三ヶ月で消えてしまうんですね。無くなちゃうからみんな使わなきゃ使わなきゃって言って人のためにどこで使おう誰に渡そうって考えるんですね。普通の日本円だったら貯蓄できるから、自分の手元に残しておきたくなっちゃうわけですね。なのでそこを前提として自分のために使うお金じゃなくて、他の誰かのために使うお金として作られていて、Eumoを使ってるとみんな利他的になっちゃうんですね勝手に。」 武井「やっぱり僕ら新しいお金を作るっていっても、まだまだ日本円って必要なので、実際に生きていく上で。そこからかけ離れすぎた地域通貨を作っても、生きていけないっていう状態になっちゃったりするわけですね。ここの塩梅がすごく難しくて。僕らはシステムをどうするかとか機能をどうするかとかだけじゃなくて、今仮想通貨とか暗号資産のようなものも出てたり、ヨロズみたいなものもあったり、なんだったら僕ら現代社会で家族の中でお金ってやりとりしないじゃないですか。これってすごく親しい人間関係であればお金ってもの自体が必要ないんですね。そういう経済っていうものを広く見たときに、お金に今の経済が寄りすぎちゃってるのを戻していきたい。信頼関係とか人間関係とかで人間同士がやり取りできる、究極的に言うとEumoってお金がない世界を作りたいんですよね。お金がなくたって人間同士が助け合って生きていける。」 新井「僕の人生のテーマがお金とは何かなんですけど、これはもうハタチのときに会計士の先生に言われた言葉で、お金って何のお金かっていったら、皆がお金って思うからお金なんですよ。法律で決まってるからとかそういうわけではないことはみんな薄々感じてるわけですよ。お金ってみんながお金って思うことが一番大切で、特に自分のお金って思えるかどうかってすごく大きいんですよ。お金の言語性ってあると思ってて、要はお金って共通言語なんですよ。つまりお金に色があるんだと思うんですよ。ハッキリした色をつけて、自分たちのお金であるっていうことをやっぱり感じてほしいし、価値を感じるところってコミュニティなんですよ。だから繋がりっていうものを表現していく上でコミュニティっていう単位が大事であって、コミュニティが濃ければ濃いほどお金って自分の言葉になるし、自分たちで循環させたいって思う。だから自分たちのお金っていうことがすごく価値があるんですよ。」